2022年の最新研究によると喘息(ぜんそく)がある小児患者は不正咬合が起こりやすいことが分かりました
研究は症例対照研究で、対象は5歳から12歳までの喘息小児患者62名と健全な小児124名です。
喘息小児患者は大臼歯関係クラスⅠ正常(44.2%、n = 19) とクラス II上顎前突 (44.2%、n = 19) の頻度は同じであり、クラス III 下顎前突(11.6%、n = 5) の頻度は低い結果となりました
健康な小児の場合、大臼歯関係はクラス I (59.8%、n = 58)、クラス II (33.0%、n = 32) 、クラス III (7.2%、n = 32) でした。 つまり、喘息の小児患者は健康な小児と比べて約15.6%上顎前突や下顎前突が起きやすいということになります。
横断面に関しては、合計 186 人の患者のうち 9 人だけが臼歯交差咬合を示し、その患者のすべてが喘息の診断を受けた患者に対応していました。したがって、喘息の小児患者におけるこの不正咬合の頻度は 14.5% であり、健康な患者では発生しませんでした。
また喘息のある小児患者は健全な小児と比べて、口腔習癖,特に口呼吸(mouth breathing)が多い傾向にあることが分かりました。
口呼吸で舌の力が弱くなると、上あごは小さくなり、下の歯は内側に倒れていきます。
口呼吸は咳喘息を誘発するとも言われており、口呼吸が喘息の原因にも、不正咬合の原因もなっている可能性があります。
口呼吸の傾向があるお子様はぜひとも気を付けていただきたいと思います。