インプラントは天然歯と同じようにメインテナンスが必ず必要になります。インプラントは天然の歯のような虫歯になることはありませんが天然の歯と同じように歯周病(インプラント周囲炎)になることがあり、早期発見が必要になります。
インプラントは痛みがなくても、違和感がなくても歯科での定期的なメインテナンスが欠かせません。
Contents
インプラントのメインテナンス 受けていますか?
2019年の国民生活センターの調査では、インプラントのメインテナンスを受けていないと回答した人は183人(36.6%)でした。その理由は、痛みや違和感が無い63人、歯科医師からの指示が無かったから50人と多くみられました。
インプラントを長持ちさせるためには歯科医院でのメインテナンスが欠かせません。インプラント治療を考えるなら定期的なメインテナンスを行っている医院で治療されることを強くお勧めします。
インプラントのメインテナンス 何をするの?
ここからはインプラントのメインテナンスを具体的にどんな事をするのかについて説明します。
メインテナンスはインプラントの健康診断のようなものです。インプラントやそのまわりの歯ぐきやあごの骨の状態を検査します。その後、インプラントまわりの徹底的なクリーニングや患者様のセルフケアができているか確認します。
インプラントまわりの歯ぐきから出血がないか確認
インプラントと歯ぐきの間に、プローブや短針(エキスプローラ)という細長い器具を入れます。そのとき、出血した場合は細菌が歯ぐき周りに付着し、炎症を起こしている証拠です。また、エアーポリッシング(エアフロー)で清掃時に出血がある場合も、炎症を起こしています。
インプラントのポケット深さを測る
歯周病の検査と同じように、インプラントの人工歯と歯ぐきの間のスキマの深さを測定します。最近のインプラントでは構造上測定できないものもあり、あくまで目安となります。
膿が出ていないか診る
器具を押し込んだ時やフロス等で清掃したとき、歯ぐきを抑えたときに歯ぐきから膿が出てこないか確認します。歯ぐきの炎症が進むと、インプラントと歯ぐきのすきま(ポケット)が深くなり、膿が出るようになります。
染め出しとブラッシング指導
プラーク(バイオフィルム)を染め出す専用の材料を使います。インプラントまわりに汚れが残っている場合、赤色や青色に染まります、患者様が磨き残しがある部位をどうすればきれいに磨けるか説明します。
レントゲンを撮影する
レントゲンを撮影して、アゴの骨の状態とインプラントの状態を確認します。
年1回程度定期的に撮影することにより、インプラント周囲の骨がやせていないかを確認します。
インプラントの動揺を診る
インプラント上部の揺れを確認します。専用の機械(ペリオテスト)やピンセットなどで揺れを確認します。インプラント上部とインプラント本体をつなぐネジが緩んでいる場合やインプラント自体が揺れている場合などがあり、ペリオテストなどを使うと揺れの数値を記録でき、状況の変化に気づきやすいです。
かみ合わせのチェック
噛んだ時に違和感が無いか、過剰な負荷がかかっていないか、歯ぎしりの影響はないかについてチェックします。
インプラントのクリーニング
インプラントの上部構造やその周りの歯ぐきを含め、プロの歯科衛生士が徹底的にクリーニングします。インプラント上部はすべて人工物なので、クリーニングにはエアーポリッシング(エアフロー)や、プラスチックスケーラーを用いて、人工物に傷がつかないよう細心の注意を払います
↓↓あわせて読みたいエアーポリッシング
いかがでしたか。インプラントは治療を始めてすぐに歯が作れるわけではありません。
せっかく時間やお金をかけて手に入れたものですから、しっかりメインテナンスを受けて長持ちさせましょう。