何で自分は歯がガタガタなんだろう.何でこの子だけ歯並びが悪いんだろう.そんなふうに思うことはないでしょうか?
今回は歯並びが悪くなる原因について解説します
機能と形態の負の連鎖
上顎が狭くなると、その上顎に覆われているような関係にある下顎も狭くなります(下の歯が内側に倒れます)。またこのような状態では下顎は本来あるべき正しい位置にくることができず、上下の顎の関係も悪くなります。そして、いろいろな不正咬合が生じてきます。
上顎が狭くなった原因は?
上顎が狭く天井が高くなった理由は口腔機能(口周りの筋肉や舌の動きなど)のうち、特に舌の機能が低下したためです。舌が上顎にしっかり上がり、内側から力が加わらないと上顎は正しく成長できません。また舌の機能低下自体も不正咬合を引き起こす原因になります。
上顎の天井が高いと、その上にある鼻腔が狭くなります。鼻腔が狭くなると鼻で呼吸しずらくなり、口呼吸になります。
口呼吸は舌、唇、頬の機能つまり口腔機能を悪くします。
このように口腔機能の低下が形態の悪化を引き起こし、形態の悪化がさらなる機能低下を引き起こすといった「負の連鎖」によって不正咬合が生じます。
負の連鎖を断ち切って正常な歯並びにするには?
この負の連鎖を断ち切るため、不正咬合の大きな要因となっている狭い上顎を正常な大きさに戻す矯正治療を行います。
まず形態を改善し、機能しやすい環境を作り、機能訓練により機能を追いつかせます。
上顎を正常な大きさに戻すにはいつ頃がベスト?
上顎の発育は5歳で8割、7歳で9割は完成し、10歳から11歳くらいで終了に近づいていきます。発育速度も5歳ごろから遅くなります。上顎の成長を考えると6歳ごろには治療を始めた方が良いでしょう。
また、「からだの赤信号」である口呼吸、舌は口まわりの筋肉の発育不良といった、機能異常は放っておくとどんどん悪くなり、改善しづらくなります。特に口呼吸とそれによる呼吸機能の低下は、姿勢の悪さ(猫背)とその後の心肺機能の低下を招きます。また姿勢の悪さは睡眠障害を引き起こします
このようなことから、不正咬合に気づいたら、できるだけ早めの治療(5~6歳ごろ)が望まれます。