歯科医院で歯磨きの指導を受けたことはありますか? その時に、先生や衛生士さんから「歯磨き粉は使わないでください」と言われたことがある方がいるかもしれません。
本当に歯磨き粉はいらないの?
歯磨き粉を使わないでといった理由は以下のことが考えられます。
- 歯磨き粉の発泡剤で口の中が泡でいっぱいになりすぐうがいしたり、短時間で歯磨きを終わらせたくなる
- 泡が出ることで磨いた気になり短時間で歯磨きを終わらせてしまう
- 抜歯をした後などでブクブクうがいをしてほしくない場合
つまり、歯磨きにはしっかり時間を取ってほしい、だから歯磨きの時間が短くなるくらいなら歯磨き粉は使わないでと言っているのです。また歯磨き粉に入っている発泡剤は泡立ちにより清涼感や磨いた気分が出るものになり歯磨きの時間を短くする原因になるため、歯磨き粉を選ぶ場合は発泡剤不使用のものを選びましょう
歯磨き粉の研磨材で歯が削れる?
歯磨き粉には研磨剤入りのものと研磨剤なしのものがあります。研磨剤が粗いもので硬い歯ブラシの組み合わせで歯を磨くと歯は少しずつ削れていきます。逆に研磨剤不使用のものは歯の着色を落とす効果が少なくなります。
※研磨剤は歯磨き粉の成分表示では清掃剤となっています
歯が削れるのが気になる方は低研磨もしくは研磨材不使用の歯磨きぺーストやジェルを基本使用し、着色が気になった場合は歯科医院での歯面清掃を受けることをお勧めします。
歯磨き粉を使わないデメリットとは?
歯磨剤を利用しない場合、どのようなデメリットがあるでしょうか?
- 口の中に細菌をばらまく
- 歯に着色がつきやすくなる
- フッ化物による歯の強化ができなくなる
口の中の細菌が作った歯垢(デンタルプラーク、デンタルバイオフィルム)中には1mgあたりおよそ1~10億の細菌がいるといわれています。これらの細菌が、歯みがきによって口腔内の唾液中に出てきます。殺菌成分のある歯磨き粉を使っていない場合、一度しっかりうがいをする必要があります。
歯磨剤に入っている薬用成分や清掃剤(研磨剤)によって着色を落とすことができますが、歯磨剤を使用していない人は歯の着色を落とすことができないため、歯が茶色くなっています。
歯磨剤に含まれているフッ化物は、歯質を強化する働きを持ちます。濃度は1500ppmが日本で売られている歯磨剤で最も濃度が高く効果も高いといわれています。最近20年間でのむし歯の減少はフッ化物が配合された歯磨剤が流通するのと比例して起きており、フッ化物配合の歯磨剤のシェアが高ければ高いほどむし歯の発生率は低いことがわかっています。
フッ化物による歯質強化は、フッ化物配合歯磨剤の使用、フッ化物洗口、フッ化物歯面塗布があります。どれも効果が証明されている方法なのでおすすめです
歯磨き粉を選ぶとき迷う場合は歯科医院専売品を選ぶようにしましょう
歯科医院専売品は市販の歯磨き粉に比べて薬用成分の濃度が高かったり、発泡剤不使用や低研磨の清掃剤が使われていることが多いです。困ったときは歯科医院で聞いてみましょう。
歯磨きは時間をかけて丁寧にしましょう
歯磨き粉を選ぶときのポイント
- 発泡剤不使用のもの
- 研磨剤(清掃剤)は低研磨か不使用のもの
- フッ素濃度が高いもの(1500ppm)
- 自分に合った薬用成分のはいっているもの(知覚過敏,歯周病予防など)
- 歯科医院専売品