体の筋肉と同じように、お口周りの機能も使わないと少しずつ機能が低下していきます。最近むせることが増えた、せき払いが増えたなどは、お口の機能が老化してきているサインです。そのまま放置すると、誤嚥性肺炎や窒息のリスクが上がります。お口の筋肉を鍛えるエクササイズで老化を防ぎましょう。
今回おススメするお口まわりのエクササイズはこの4つです
- くちびると舌を鍛える「ベロ回し」
- 喉頭蓋の弁を鍛える「上向きうがい」
- 吐き戻す力を鍛える「ペコペコペットボトル」
- 総合的に鍛える「パタカラ体操」
詳細については以下に解説します。
お口の老化を防ぐエクササイズ4選
ベロ回し
唇と舌を鍛えるトレーニングです。
飲み込む力が増して誤嚥しにくくなります。
くちびるも引き締まるので、ほうれい線も改善します。
ベロ回しのやり方
①お口をぎゅっと閉じ、舌を歯と唇の間に入れます。
②歯の上をなめるように、舌を一方にゆっくり大きく10回まわします。
③反対方向にもゆっくり大きく10回まわします。
1日3セットを目安に行います。
ベロ回しのポイント
・なるべくゆっくり大きく舌を回します
・舌の根元が痛くなってきますが、それは鍛えられている証拠です
・人によって、右回りがやりやすい、左回りがやりやすいというのがあります。
・苦手な方向にもまわすようにしましょう。
ベロ回しの期待される効果
舌の根元の筋肉がきたえられ、食べ物をのどに送り込む力が上がります。喉頭蓋の弁も鍛えられます。
舌やくちびるの筋肉がつき、舌や頬をかみにくくなります。
唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促されます。
上向きうがい
上向きうがいをすることで、のど周りの筋肉が鍛えられます。食道と気管の境目にある喉頭蓋の弁の動きが良くなり、ムセることが減ります。
上向きうがいのやり方
①水をひと口ふくみます。
②天井を見るくらいに顔を上げて、10~15秒かけてうがいをします
起床時、食前など1日3回を目安に行います。
上向きうがいのポイント
・舌の根元を水で洗えるように、なるべく上を向きます。水が気管に入りそうで不安なら、首の角度を浅めにします
・朝起きてすぐや、歯磨きをした後に(歯磨き剤のフッ素の効果を生かすなら歯磨き前に)行いましょう。
上向きうがいに期待される効果
のどまわりの筋肉(舌骨筋群)や、喉頭蓋の弁が鍛えられます。
舌の根元やのど奥の雑菌をキレイにしながら鍛えられるので一石二鳥です。
ペコペコペットボトル
ペコペコペットボトルは、のどまわりの筋肉や肺活量が鍛えられるので、誤嚥したときに吐き戻す力が増します。窒息防止に効果があります。
ペコペコペットボトルのやり方
①2リットル入りの空のペットボトルをくわえます。
②ペットボトルを吸ってへこませます。
③強く息を吹き込みふくらませます。
1日3回を目安に行います
ペコペコペットボトルのポイント
500mlよりも2リットル入りの柔らかいペットボトルがやりやすいです(容量が小さいほど、へこませるのが大変になります。)
ペットボトルを手で軽くへこませ手から始めると、さらにやりやすいです。
苦しい場合は無理をせず、1回ごとに一休みを。
ペコペコペットボトルに期待される効果
のどの筋肉や呼吸筋が鍛えられるので、誤嚥したものを吐き出しやすくなり、窒息しづらくなります。
肺活量も増えます。
くちびるや頬も引き締まります。
パタカラ体操
パタカラ体操は介護施設などで取り入れている施設も多くなってきています。
パ・タ・カ・ラの音を5秒間出し続ける体操です。音によって鍛えられるお口の筋肉が違います。
パの音 やり方・ポイント・期待される効果
タの音 やり方・ポイント・期待される効果
カの音 やり方・ポイント・期待される効果
ラの音 やり方・ポイント・期待される効果
いかがでしょうか。パタカラ体操はすぐにでも取り入れやすいお口周りのトレーニングだと思います。一人ではなかなか習慣にするのは難しいのでご家族などと一緒に行うことをお勧めします。