実はすごいぞ 唾液のはたらき お口編

口の中から唾液が出てくるのは当たり前。ほとんどの方はそう感じているのではないでしょうか。実は唾液にはお口の健康に欠かせないたくさんの役割があります。

唾液のはたらき お口について

お口を清潔に保つ

唾液には、食べかすや細菌を洗い流してお口を清潔に保つ自浄作用があります。唾液が減り、お口の中が汚れがちになると細菌が繁殖しやすくなり、むし歯や歯周病などにかかりやすくなります。シェーグレン症候群など唾液の量が出にくくなる病気になると、むし歯や歯周病のリスクが急激に高くなります

お口の粘膜を守る

ネバネバ成分が粘膜を保護します。唾液が減ると粘膜のうるおいが減り、傷ついて口内炎などになりやすくなります。

口内炎は一般的には1~2週間程度で治ることが多いですが、唾液の量が少ないと治りも遅くなり、口内炎の痛みも起こりやすいです。

お口のなかを中性にもどす

お口の細菌が出す酸や、飲食物の酸により酸性に傾いたお口の中のpHをもとの中性に戻します。

唾液量が少ないと、中性に戻るスピードが遅くなり、むし歯のリスクが高くなります

歯を補修する

歯は虫歯菌が出す酸や、酸性の食べ物飲み物によって、表面の成分が唾液中に溶け出します(脱灰)。唾液中に溶け出した歯の成分は、時間をかけて唾液から歯に戻り、歯が補修されていきます(再石灰化)。唾液の量が少ないと再石灰化が遅くなったり、起きにくい環境になります。

細菌感染から体を守る

唾液の自浄作用と、唾液中のIgA(免疫グロブリンA)、ラクトフェリンなどが、お口の中の細菌の活動を抑制します。

ラクトフェリンは、母乳、涙液、唾液、血液、粘液等の分泌液や好中球に分布する鉄結合性糖タン白質で、感染防御に必要な成分です。母乳に多く含まれ乳児におけるウイルスや細菌などの感染を防ぐ重要な成分です。また、ストレスや薬物、老化等による腸内細菌叢の乱れを防ぎ、腸管免疫システムの恒常性を保持するなど、多機能タン白としての作用が期待されています。

唾液のはたらき 食事について

食べ物をまとめる

細かくかみ砕かれた食べ物をまとめて飲み込みやすくします。

消化を助ける

唾液中のアミラーゼがデンプンを分解し、消化を助けます。

味を感じさせる

食べ物の成分が唾液に溶けることで味を感じやすくなります。

nico2018年6月号より抜粋

いかがでしたか?

お口の中にたくさんのよい働きをしてくれています。加齢や薬の影響で唾液は減少する可能性があり、唾液が減ることで口の中に違和感が出ることがあります。かかりつけの歯科医院で唾液の量についてチェックしてもらいましょう。

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