歯磨きを何日しないとむし歯になるの?

歯磨きはむし歯や歯周病の予防に大切。わかっていても、疲れていたり忙しくて歯磨きできないことってありますよね?

今回は歯磨きを何日しないとむし歯のリスクが上がるのかについて解説します。

歯磨きを何日しないとむし歯になるの?

答え 

約2日

むし歯ができるためには、むし歯菌が糖を摂取して酸を出す必要があります。

プラーク(むし歯菌などの細菌の塊)が成熟して強いを出して歯が溶けるようになるまでは約48時間かかります糖の摂取頻度が多い場合2日目(24時間程度)でプラークが成熟し歯が溶けるようになる可能性があります

プラークが成熟しているかどうかはわかるの?

歯科医院にはプラークを染め出す染色液があり、その中でも成熟したプラークが青く染まる「トリプラークIDジェル(GC)」や「ツートーン(クルツァージャパン)」を使うとむし歯のリスクが高い部分がよくわかります。

トリプラークIDジェル活用ヒント GC社ホームページ

根拠になる文献

今回の説明の根拠になる文献を紹介します。1)

この文献は、1980年に発表されたもので、被験者は歯磨きを6日間中断して、プラークを成熟させ、2日目から濃度10%の砂糖水(市販のコーラやカルピスウォーターと同程度)15mlで2分洗口してもらい、洗口前から洗口後でプラーク内部のphがどのように変化するかを検証しています。

結果

結果1

52歳の女性、7歳女性、7歳男性の歯磨き中断後3日目の結果です。

3人とも10%砂糖水で2分間洗口すると、プラーク内のpHがどんどん下がって臨界pHを超えることが分かりました。

結果2

14歳男性の結果では歯磨き中断2日目(24時間経過後)に10%砂糖水で洗口後、プラーク内の臨界pHは5.5を超えることが分かりました。この男性は糖を摂取する頻度が他の被験者よりも多かったとのことです。

結果3

62歳の女性の結果です。結果2の14歳男性と比較しても歯磨き中断3日目(48時間後)からはプラーク内のpHは同じように低下します。

結論

①プラークが成熟し歯を溶かす酸が出せるようになるまでは約2日かかる

②おやつやジュースなど糖を摂取する回数が多い人は約1日でプラークが成熟する

歯磨きは1日何回すればいいの?

歯についたプラークが成熟する前に取り除けるように一日1回はしっかりと歯磨きしましょう。

※フッ素入りの歯磨き粉を1日2回使うとよりむし歯予防効果が高まります。

歯磨きを忘れてすぐできない場合は、できるだけお茶、お水、ブラックコーヒー以外の飲み物や間食は避けるようにしましょう。

歯磨きで大切なことはプラークコントロールです。プラークが取れているかどうかがとても大切。

ぜひ歯科医院でプラークの染め出しをしてもらい、ブラッシング指導を受けましょう。

参考文献

1)Imfeld T, Lutz F. Intraplaque acid formation assessed in vivo in children and young adults. Pediatric Dentistry. 1980; 2(2): 87-93.

2)「カリエスブック」 伊藤直人 著 医歯薬出版株式会社

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